世界メンタルヘルスデー:中国の現状
10月10日は「世界メンタルヘルスデー」だということをご存知だろうか。オランダに本部を置くNGO団体、世界精神衛生連盟(WFMH)が1992年にメンタルヘルスに関する問題を啓蒙し、差別・偏見を無くし、発表の機会を設けることなどを目的に定めたものらしい。
ここ数日、ニュースの検索で世界各国のメディアがメンタルヘルス関連の記事を載せており、読んでみて初めて「世界メンタルヘルスデー」というものを知ったのだった。これに関連するのかどうかは分からないが、アメリカやカナダでもMental Health Awareness Weekと銘打ってキャンペーンを展開していたよう。アメリカでは11日が「うつ病のスクリーニングデー」に定められており、無料のうつ病スクリーニングを受けることができたらしい。
うつ病関連の記事を検索していると、英語で検索しているせいもあるだろうが、やはり研究が進んでいる欧米のものが中心である。発展途上国の精神保健に関する現状などはほとんど報道されない。WHOの報告にあったように、世界中のうつ病患者のうち治療を受けられる人は25%にも満たない。うつ病以外の精神疾患では状況はさらに厳しいものと察する。今更ながら世界規模の医療格差に気付かされる。
世界メンタルヘルスデーということで中国の精神保健の現状について書かれた記事があった。以下xinhuanet.comの記事China marks World Health Day (2007-10-9)より
中国には2006年末の時点で1,124の精神病院が存在し、病床数では146,000床、精神科医、助手の数は19,000名と発表された。
「中国における精神保健サービスのネットワークは徐々に具体化されてきています。」衛生部副部長のWang Longde(王 瓏徳)氏は、第16回世界メンタルヘルスデーを記念した集会でこのように発言した。
Wang氏は中国は依然として草の根レベルでの精神保健サービスが欠如していることに加え、一般市民の精神保健の認識は低く、重篤な精神疾患の予防対策は未だ実行されていない現実を指摘した。
2005年に特定の地域で行われた公式調査によれば、精神保健と精神疾患の予防に関する知識を持つ人は30~40%であった。またその土地の精神病患者のうち医療機関で治療を受けたのはわずか15~30%にとどまった。
過去に行われた報告によると、中国には約1,600万人の精神病患者がいるとのことだ。
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中国ではあまりに社会・経済状況の変化が速ky、その変化の速度についていけない人たちが精神を病んでいるらしい。中国では精神疾患の有病率が急上昇で、対応に当たる精神科医が不足しているとも聞く。
以前TIME誌でアジア諸国の精神病患者を取り巻く劣悪な環境についての記事を読んだ。記事から中国に関する記載(2003年現在)を一部紹介する。TIMEasiaの記事へのリンクはこちら
・年齢18~34歳で自殺は死因の第1位になっている。
・推測では、開業医の診察を受ける人のおよそ3分の1が何らかの精神疾患を抱えているが、頭痛や不眠など心因性の身体症状を訴える傾向がある。
・うつ病患者の95%は診察を受けていない。
・推測では、農村などから上海、北京などへ移住した出稼ぎ労働者(1億人)の精神疾患有病率は2倍になる。
・大都市以外では、医師でさえも不安障害、強迫性障害、うつ病などの病名を聞いたことがない。
・中国の保健予算のうち、精神保健はほんの2%。一方、全疾患のうち精神疾患が占める割合は20%。
・アメリカでは統合失調症患者の60%が病院での治療を受けているが、中国では90%が治療を受けず自宅で監禁されている。
・精神科病棟で働いている看護師は家族にも自分の業務内容を伝えていない。なぜなら、精神疾患は伝染すると広く信じられているからだ。
・国民13億人に対して精神科医として資格のある医師は2,000人足らず。しかも精神科医は自分で専門を選択したのではなく、出身医大が一方的に配属したものだ。
・近年中国では患者の基本的人権を擁護する法律が定められた。しかしこの法律が十分に施行されているのは大都市のみである。
・・・この記事が書かれてから4年が経過しているが、果たして状況はどのように変化しているのだろうか。
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